「雉」北陸地区のブログ

「雉」句会の活動を公開しています

俳句選評シリーズ6

同人作品評(7月号) 中山 世一 桟橋へ八十八夜の波しぶき 井上 久枝 「波しぶき」によってこの桟橋は海だろうと想像した。波しぶきによって作者は近い夏を感じたのだ。この季節の置き方には新鮮さを感じる。見事に晩春=夏近しの海辺の景が描かれている。 …

「雉」ネット俳句

毎月、「雉」HPでは、 「ネット俳句」の募集を行っています。 お一人 3句まで、無料で投句いただけます。 締切は、毎月月末。 入選句の発表は、翌月10日です。 2021年8月の募集句を公開いたしました。 力作の数々を、どうぞご覧くださいませ。 www.kijihaiku…

俳句選評シリーズ5

同人作品評(6月号) 中山 世一 この「雉同人作品評」を書かしていただくのもこれで5回目となる。こうして永く作品を書いていると俳句のこともさることながらいろいろなことが分かってくる。俳句は5・7・5わずか17文字であるが、なかなかに侮れない文学…

俳句選評シリーズ 4

「雉」7月号掲載 同人作品評(5月号) 中山 世一 桜の芽少し膨らみ水響く 大前 幸子 桜の芽の膨らむことと水の響きには直接関係はないが、どこか深いところで繋がっているように感じられる句であり、そこがこの句のいいところである。句全体で「春が来たよ」…

原民喜 没後70年

俳誌「雉」に連載されていました竹原陽子さんですが、 「三田文学」にも寄稿されていましたので、転載いたします。

金沢句会(2021)5月通信

田島和生主宰選 〈特選〉 図書館の窓にきらめき椎若葉 度山 紀子 海市立つ能登の岬の反転し 山岸 昭子 能登富士の映ゆる水田や匂ひ鳥 後藤 桂子 〈並選〉 棟上げの掛矢の音や若葉風 小林 亮文 下萌や地鶏の卵ころがれり 海野 正男 鳴龍を一たび鳴かせ春惜し…

俳句選評シリーズ3

俳誌「雉」6月号より 同人作品評(4月号) 中山 世一 私は若いころから師や先輩たちから写生ということを叩き込まれてきた。そのためか、どうしてもモノに即した句を採ってしまう傾向にある。長い経験から、俳句は勿論写生句やモノ俳句ばかりがいいのではない…

「雉」三十周年記念特集号より

平成27年8月号 「雉」三十周年記念特集 諸家近詠 茨木 和生 「運河」主宰 雉走り飛ぶここからは口吉野 雉鳴けり峠を越ゆる旧道に 飛び立ちし雉のひかりとなりにけり 大串 章 「百鳥」主宰 夏帽子蝶とまらせて莞爾たり サングラス外し麒麟を見上げをり 万緑の…

俳誌「雉」5月号より

「雉」誌に掲載されておりましたが、二重投句の問題があり、句会報も、「雉」誌の掲載を待ってからとなりました。 句会報をお待ちの皆様へ、「雉」誌掲載の北陸地区の方々の作品をご紹介いたします。 【同人作品】 白雉集 春近し 小林 亮文 連峰の尾根くつき…

俳句選評シリーズ 2

俳誌「雉」5月号より 同人作品評(3月号) 中山 世一 遠く近く沼舟見えて蒲団干す 永田 由子 作者は船橋市の方であるからこの沼は印旛沼であろうか、手賀沼であろうか。どこと限定する必要もないが、沼の近くに何軒か家がある、そういう水辺を想定した。その…

俳句選評シリーズ 1

「雉」4月号掲載 同人作品評(2月号) 中山 世一 今月からこの欄を担当することとなりました。しかし、 ほとんどの人のことをよく知りません。そのことが評をするのには好都合であるかもしれませんが、的外れなことを書くことがあるかもしれません。その点…

金沢句会(2021)4月通信

金沢句会、田島主宰後日選。 田島和生主宰選 ◎棟上げの祝詞上ぐるや揚雲雀 小林 亮文 ◎花陰に座して輪読マタイ伝 後藤 桂子 ◎脱稿にひばりの声の高きかな 福江 真里子 自転車の空気の逃げて花三分 田崎 宏 籠り音に鳩の啼き合ふ春霞 小林 亮文 手に掛けて桜…

お知らせ

青木和枝句集『白山茶花』をお譲りいたします。 オンライン俳句図書館にて公開されておりますが、 実際の本を手にしたいと思われる方、 どうぞご連絡ください。 (残り2冊) ご連絡は、雉のホームページよりお願いいたします。 「おたより」より、お願いいた…

富山高志句会(2021)3月通信

兼題「木の芽」 小林 亮文 選 ◎苔むせし磴百段や紅椿 本多 静枝 手を添へて小躍りしたる受験生 潟淵 恵美子 岩肌へゆつくり畳む春の波 福江 真里子 空耳か師の声聞こゆ涅槃西 本多 静枝 岩窟に潮とどろき遠霞 福江 ちえり 黒土に炎立つ如牡丹の芽 生田 章子 …

雉金沢句会(2021)3月通信

田島和生主宰 後日選 〈特選〉 倶利伽羅の名残りの雪や通夜詣 本多 静枝 独活洗ふ落人村の外流し 後藤 桂子 白梅やまこと小さき骨の壺 海野 正男 春燈(ともし)遺影のまなこ潤みをり 佐瀬 元子 道端にかがむ親子やいぬふぐり 小林 亮文 暖かや鯉の群がる麩…

富山高志句会(2021)2月通信

小林 亮文 選 ◎躙り口開けて通せる春の風 海野 正男 料峭や一人づつ入るワインセラー 度山 紀子 天を衝く栂の並木や春日差 山岸 昭子 岩礁にさざ波しきり春の海 福江 ちえり 早春の濠にゆるゆる鴨番ふ 度山 紀子 早春や車庫に置かるる三輪車 生田 章子 きさ…

ご連絡

本日 2月14日 「雉」同人 青木和枝様が逝去されました。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 快復された直後。獅子吼高原にて。作句中! 高岸寺さんで、主宰と最後の句会。 かつて、高志句会での表彰。 青木先生最後の句会。高志句会での風景。

雉金沢句会(2021)2月通信

田島和生主宰 後日選 〈特選〉 連峰の尾根くつきりと春近し 小林 亮文 岩穴の潮透き通り波の花 福江 ちえり 刀鍛冶寒九の水を汲み置けり 辻江 恵智子 舞ふ巫女の袖の膨らみ雪解風 後藤 桂子 風花やトーストにのせ苺ジャム 田崎 宏 師を訪はな訪はなと春を迎…

雉金沢句会(2021)1月通信

田島和生主宰 後日選 ◎淑気満つ利休鼠の気多の海 後藤 桂子 ◎犬探すビラのひらひら年詰まる 辻江 恵智子 ◎雫して山茶花の紅開きけり 福江 ちえり 静まりし湖面を走り猟銃音 後藤 桂子 冬うらら金沢港の見ゆる丘 宮崎 惠美 一枚のカルテさながら古暦 海野 正…

謹賀新年

明けまして おめでとうございます 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます (北陸地区一同)

おめでとうございます

「雉」主宰 田島和生先生のお誕生日です。 おめでとうございます! コロナの中で、句会も休会となりお目にかかれませんが、 どうか健康が守られ、句作に邁進されますよう お祈り申し上げます。 良い一年となりますように…… (北陸一同より) おめでとうござ…

通信句会 令和3年の予定

来年(令和3年) 通信句会の予定をお知らせいたします。 句会の会員の方は、下記の予定表を確認の上、ご投句ください。 雉金沢句会 毎月1日必着(5句) 担当者 1月 小林 亮文 2月 宮崎 惠美 3月 福江ちえり 富山高志句会 毎月15日必着(5句)兼題あり 担当者…

富山高志句会 (12月通信)

富山高志句会 12月(通信) 兼題「日短」 小林 亮文 選 〇幼子の飛び込み来る布団干 潟淵 恵美子 夜更けてぽかりと浮かぶ冬満月 福江 真里子 冬大波待つサーファーの浮子めきて 佐瀬 元子 好々爺となりて久しき父柚子湯 山下 貴子 白菜をばりつと割りて能登…

第10回 オール雉句会の御案内

第10回 オール雉句会 締め切りました! 有難うございました。 投句 5句まで 投句締切 12月20日(日) 午後9時 選句締切 12月27日(日) 午後9時 選句結果は、集計が出来次第、一斉メールにてお送りいたします。 投句先 kijihaiku@yahoo.co.jp (担当者のメル…

雉金沢句会(12月通信)

雉金沢句会は、通信制で例会を行っています。 田島和生「雉」主宰 後日選 田島 和生 主宰選 〇浮かんでは鳰忙しなく首を振り 佐瀬 元子 〇波寄する棚田の果ての冬日かな 後藤 桂子 〇顔寒く検温されてゐたりけり 海野 正男 枯蓮へゲートボールの球ころげ 海…

雉金沢句会(11月通信)

雉金沢句会は、通信制で開催しています。 田島和生「雉」主宰、後日選。 田島 和生 主宰選 〇吹き上ぐる風に絵馬鳴り冬紅葉 宮崎 惠美 〇鵙猛り駆け出しさうに火牛像 辻江 恵智子 〇神の留守雷火の痕の大銀杏 後藤 桂子 落款彫るのみの刃先や秋夕日 田崎 宏 …

雉金沢句会(10月通信句会)

雉金沢句会は、コロナ感染拡大予防のため 通信にて行っています。 〈11月例会〉 小林 亮文 選 〇ちちははを包む日差しや秋彼岸 辻江 恵智子 一揆在ありし里の静寂や鳥威 辻江 恵智子 衣擦れの古刹の廊下月明り 豊田 高子 葛の葉に雨脚粗く九十九折 豊田 高子…

富山高志句会(11月通信)

富山高志句会は、通信制で開催されました。 兼題:「落葉」 小林 亮文 選 〇小さきレディロングドレスで七五三 本多 静枝 石蕗の花柱の太き長屋門 藤井 薫 一叢の芒に風のうねりかな 福江 ちえり 山茶花の咲き初む垣根三味の音 度山 紀子 狛犬を真似る双子や…

追悼

俳人協会顧問 有馬朗人先生が逝去されました。 謹んでお悔やみ申し上げます。 たくさんの俳句を有難うございました。

祝 巻頭

祝巻頭 伊藤佳子さん 「雉」12月号 紅頬集巻頭 五句 名月やマスク外して深呼吸 しづかなる友の傍ら実紫 地を這ひし朝顔真直ぐ花立てり 群をなす低空飛行赤とんぼ 爽やかに子のワンピース裾ひらり こぼれ種であろうか、朝顔の蔓が地べたを這うて花を咲 かせた…