自句逍遥十句 ⑬ 青木和枝
浦まつり土足の天狗座敷まで
春鯊升に溢れて売られけり
笹竹で青田を撫でて虫送り
新涼や糶声とどく神の庭
九頭龍の茅花流しに稚魚放つ
秋天へ胡弓一節弾きくれし
せきれいと歩くを競い朝の試歩
着流しの鏡花の像へ初音かな
大釜にたぎる薬湯雪解寺
山裾の供花の捨て場や葛の花
紅頬集より 今月は雉金沢句会から、海野正男さんが初投句され、4句入選でした。おめでとうございます。海野正男さんは、泊康夫先生のころより雉句会の会員で、長い句歴をお持ちです。これからのご活躍を期待いたします。
では、会員の方々の「秀句・佳句」をご紹介します。
富士に立ち来光拝む初景色 宮崎明倫
城門の見晴台の垂水かな 宮崎恵美
峡の湯の長き廊下の雪見かな 亀田次郎
その他、佐藤尚夫句集『薔薇』総評を、石黒哲夫先生がお書きになっていらっしゃいます。
以上、4月号から抜粋いたしました。
追加
「雉」2月号、3月号の紅頬集より、「秀句・佳句」は、以下です。
子規堂を眼下にしたる秋思かな 宮崎恵美
二日はや一句浮かびし厠かな 宮崎恵美
落葉掃く箒の先の曲るまま 生田章子
以上、おめでとうございます。