兼題「枯れ」
石黒 哲夫 選
◎茶の花の垣を曲がれば母の家 宮崎 明倫
枯れ菊やホルンの音の午(ひる)を告ぐ 海野 正男
竹垣に色足袋干され尼の寺 小林 れい子
雪催刃のごとき波寄する 佐瀬 元子
室の花しゃべりだしさう絵の少女 (匿名)
枯蔓に足取られたり寺井跡 吉田 泰子
落葉踏む夫と歩むや二二(ふうふ)の日 木谷 美奈子
太平 栄子 選
◎狐雨霽(は)らす港のいくら鮨 石黒 哲夫
庄川の水音も入れ柚子祭 松本 よね子
雪催刃のごとき波寄する 佐瀬 元子
新巻の間口いっぱい吊られけり 小林 れい子
からたちの実の高くあり知事公舎 青木 和枝
寒鯉のひと固まりが動き出し 福江 ちえり
枯木立透きて夕日の波しづか 青木 和枝
青木 和枝 選
◎緋色して歩道を埋めしアメリカ楓 池上 愛子
雪催刃のごとき波寄する 佐瀬 元子
新巻の間口いっぱい吊られけり 小林 れい子
枯れ薄乱れ雀のねぐらかな 生田 章子
川風も冬に入りけり徹の句碑 石黒 哲夫
北風に向ひ駆けゆく下校の子 佐瀬 元子
隠れ里山を剥ぐかに枯葉飛ぶ 石黒 哲夫
高点句
雪催刃のごとき波寄する 佐瀬 元子
蔵出しの味噌の匂へり枇杷の花 吉田 泰子
砂丘畑皺の深まる掛大根 佐藤 尚夫
次回 1月13日(日)
兼題「雪」
金沢彦三公民館 午後1時〜4時半頃
※会場は3階に変更になっています。
皆様、佳いお歳をお迎えください。
ご健康をお祈り申し上げます。