兼題「菜の花」
石黒 哲夫 選
◎砂噛むや男一人の蜆汁 海野 正男
如月や見舞無用の葉書受く 青木 和枝
ふらり出て草一つ抜くのどけさよ 太平 栄子
水温み広告厚き新聞紙 田崎 宏
暮れてなほ菜の花明かり平家谷 (匿名)
知恵の輪を解くごと外す雪囲い 小林 れい子
草萌ゆる放牧の牛黒々と 生田 章子
太平 栄子 選
◎菜の花や産声もなく胎児逝く 田崎 宏
川岸の花菜に埋もれ魚を待つ 福江 ちえり
草萌や底の抜けたる土器の中 福江 ちえり
雨樋を氷柱でこぼこはみ出せり 小室 登美子
庭球の音谺して山笑ふ 福江 ちえり
雪解靄峡の部落を沈めたり 小室 登美子
花菜風絹織る音のかろやかに 吉田 泰子
青木 和枝 選
◎砂噛むや男一人の蜆汁 海野 正男
砺波野の屋敷林(かいにょ)かいにょに風光る 石黒 哲夫
鳩時計三時を告ぐる宿うらら 小林 れい子
庭球の音谺して山笑ふ 福江 ちえり
知恵の輪を解くごと外す雪囲い 小林 れい子
岩膚のごとき老桜芽吹きけり 小林 亮文
次回 4月14日(日)一時から
金沢彦三公民館 2F
兼題「百千鳥」「春の鳥」