兼題:「残暑」
青木 和枝 選
◎流れくる唱歌の時報今朝の秋 小室 登美子
花合歓や友と戦時のこと語る 石尾 幸子
やぶの闇茗荷の花の明りかな 生田 章子
検査終へ日の射す街へ原爆忌 大上 章子
高だかと庭木に這ひし花かぼちや 谷 光恵
大皿に泳ぐがごとく鮎盛られ 小林 れい子
アスファルト無数に叩く白雨かな 福江 ちえり
吉田 泰子 選
◎若衆の篝組みをり盆の村 山岸 昭子
五十回忌赤子這ひゐる夏座敷 小林 れい子
滝音のこだまとなりぬ日石寺 山岸 昭子
葛の風新幹線の試運転 小林 れい子
流星を待つ天空の広さかな 生田 章子
流れくる唱歌の時報今朝の秋 小室 登美子
蕎麦の花伊那へ二タ駅乗り継ぎて 藤井 薫