「雉」北陸地区のブログ

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11月9日(日)雉金沢句会〜田島和生主宰をお招きして〜

田島 和生 主宰俳句
    宝前の三和土にこぼれ藪虱
    手のひらに月の色してくわりんかな

田島 和生 主宰 選
特選   神の田と言ふ地に住みて冬菜干す  吉田 泰子  
     ざくざくと落葉踏む音友来たる   大上 章子
     海に向かひ叫ぶ少年冬近し     佐瀬 元子
     吊橋やときに落葉の舞ひ上がり   吉田 泰子
     立冬の日差し届けり閻魔の間    吉田 泰子
 


    
   夜目に透く白山茶花や喪にこもる    石黒 哲夫
   豆腐屋の窓隠したる柿簾         潮 音
   捥ぎし柚子卵あつかふやうにおく    青木 和枝
   縺れ飛ぶき黄蝶の群れや石蕗の花    野澤 多美子
   露天湯に手足伸ばせり後の月      度山 紀子
   菊人形利長公は着替へ中        本多 静枝
   野分晴筵に残る石四つ         西野 可代子
   ひと雨に山路の落葉香り立つ      作本 美恵子
   絶え間なく井戸掘りの音冬近し     山岸 昭子
   立山にうすき夕月暮れの秋       大上 章子
   薬種屋の金文字光る初しぐれ      石黒 哲夫
   穭田のみどり斑に加賀平野       野澤 多美子
   村道の轍の縁に霜の花         度山 紀子
   惜秋や伊根の舟屋の灯の揺るる     本多 静枝
   兄の家へつづくこの道石蕗の花     宮崎 惠美
   空の青初冠雪の白さかな        生田 章子
   ふくふくの頬の親子やりんご狩     小林 亮文
   空稲架の奥に合掌造りかな       小室 登美子
   手取川逆巻く流れ野分晴        野澤 多美子
   落葉焚水面を渡る火の匂ひ       豊田 高子
   鷺舞へるつるべ落しの茜空       太平 栄子
   池の面にえくぼ一つや木の実落つ    後藤 桂子
   本尊の香炉は九谷菊香る        太平 栄子
   高々と掛大根や剱岳          小林 れい子
   霜解けの落葉を踏んで鏡花の碑     青木 和枝
   那谷詣で落葉しぐれの中に立つ     本多 静枝
   吹きあぐる谷間の風や落葉舞ふ     尾田 眞知子
   茶屋街の秋の灯揺るるをんな川     作本 美恵子
   五箇山のささらの響く夜長かな     西野 可代子
   首塚へ冬菜の畝を一跨ぎ        豊田 高子
   登坂斜めに落葉時雨かな        宮崎 明倫
   お揃ひのスーツ姿の案山子かな     西野 可代子
   立冬の朝あたらしきけもの径      谷口 和子
   名月を仰ぎてをれば母が呼ぶ      北野 陽子

次回は12月7日(第一日曜日)です。
兼題:「冬木」