兼題:「土筆」
石黒 哲夫 選
◎土筆摘み束ぬる指に野の匂ひ 作本 美恵子 東山の霞隠れや茶粥食ぶ 宮崎 惠美
大王いかするめとなりて奈茣の春 大上 章子
彫刻のチェンソー響く春の昼 青木 和枝
木の芽風足湯の烟る塗師の町 後藤 桂子
ふるさとは父母の墓のみ初燕 青木 和枝
父祖よりの駒つなぎ石地虫出づ 吉田 泰子
太平 栄子 選
◎放課後の駆足揃ふつくづくし 佐瀬 元子 つくしんぼ登校の子の松葉杖 大上 章子
春寒の屋根に瓦屋紺の足袋 吉田 泰子
赴任地の門に迎ふる土筆ン坊 小林 亮文
鞦韆や空へ幼き胸を張り 福江 ちえり
つくしんぼ電車の揺れに身をまかす 青木 和枝
霾や百メートルの塔薄れ 小室 登美子
青木 和枝 選
◎放課後の駆足揃ふつくづくし 佐瀬 元子 日を溜めてつくしん坊の中は空 福江 ちえり
畦の面に丈一寸の土筆満つ 小室 登美子
如月の木々の影踏む野辺送り 太平 栄子
九谷皿さよりの刺身かがやけり 中山 ちえ
次回、4月12日(日)
金沢彦三公民館 2F 午後1時より
兼題:「桜」「花」