主宰俳句
秋まひる
田島 和生
触れ合つてかさと音せる夏揚羽
糊こはき三鬼読本曝したる
箸を置き立ちて黙禱広島忌
鈴懸の木洩日まだら蝉の穴
空蝉の吹かるる桑の葉末かな
蝉の翅散華さながらそこかしこ
くるりんと掃除ロボット秋まひる
秋風の框上れる書斎かな
同人作品評(8月号) 長嶺 千晶
ひつそりと兎飼はれて瓜の花 青木 和枝 兎は鳴き声すらたてず、鼻先をもぐもぐと動かしているもともと静かな動物である。それに「瓜の花」の黄色が鮮やかに取り合わされた。小学校の一角のような景色である。子供の夢を誘うメルヘンのような優しさを覚えた。
紅頬集 秀句・佳句 田島 和生 主宰
白鷺城真上の月の涼しさよ 後藤 かつら
白鷺城は改修された名城・姫路城である。月はちょうど城の真上にかかり、城の姿も浮き上る。詠嘆調の「涼しさよ」の表現もふさわしく、格調のある作品である。
〈 お 知 ら せ 〉
『林徹全句集』『雉山房雑記』に残部があります。頒価8,000円(送料共)
ご購入を希望される方は、「雉」ホームページからメールでご連絡くださいませ。
大変、貴重な本ですので、是非、この機会にご購入をお勧めいたします。
同人の投句先が変更になりました。
これまでの三上節子さんから、堀向博子さんへ投句係が変更になりました。
同人の方々は、お間違えのないように、投句なさってください。
以上、俳誌「雉」10月号より抜粋いたしました。