「雉」北陸地区のブログ

「雉」句会の活動を公開しています

9月11日(日)雉金沢句会

於:石川四高記念文化交流館 
「雉」主宰 田島 和生 先生をお迎えいたしました。

  越前や霰とまがふ蕎麦の花   田島 和生
  朝顔は深むらさきに綾子の忌
  ひやひやと四高校舎の床軋む
  山羊の子へうねる草原野分雲

田島 和生 主宰 選

〈特選〉 城垣を上へ上へと蜥蜴かな     佐瀬 元子
     橡の実の弾める茶屋の床几かな   吉田 泰子
     本丸跡ときに人声つくつくし    佐瀬 元子
     清秋の的へ吸はるる弓矢かな    福江 ちえり

〈入選〉
散る一葉木々の走り根白々と      小林 亮文
橡の実を拾ふ二人や四高跡       宮崎 明倫
曲水の敷石洗ひ水澄めり        大上 章子
二尺鯉跳ぬる水音花芒         青木 和枝
書肆失せし四高通りや水の秋      石黒 哲夫
行く秋や窓枠朽ちし旧四高       田崎 宏
神門はステンドグラス鰯雲       山岸 昭子
城垣に朽ちたる木の根秋の蝶      佐瀬 元子
水際で手を振る人や秋高し       木谷 美奈子
新涼や徽軫灯籠に人集り        本多 静枝
石組に短冊積みも水の秋        海野 正男
唐崎の松影ゆるる秋時雨        小林 亮文
玉石に稚魚の影して秋澄めり      豊田 高子
足軽の家にも仏間秋の風        山岸 昭子
秋風に熊笹騒ぐ城の坂         太平 栄子
大袈裟にコルセット着け秋暑し     中山 ちえ
夕顔亭きささげの実の触れ合うて    豊田 高子
噴水のあれらのごとく跳ね散れり    青木 和枝
高下駄の健児の像や新松子       後藤 桂子
おそひくる夕立の音寮歌の碑      宮崎 明倫
城の門秋日を返す鏡石         後藤 桂子
園巡る色なき風を伴ひて        後藤 桂子
名にし負ふ園の虹橋水澄めり      本多 静枝
きささげに風の過ぎゆく瓢池      辻江 恵智子
秋気満つ根上がりの松地を掴み     豊田 高子
御銭(おあし)照る金城霊沢秋澄めり   木谷 美奈子
粕漬けの茗荷に夫の酌みゐたる     中山 ちえ
水連の花のむしろや神の池       青木 和枝
※きささげの実の房なせり瓢池     吉田 泰子 ※木・(豆辺に工)・豆
蚊が止まりたたくおでこが赤くなり   北野 陽子
肩脱ぎの射手新涼に立ちゐたり     福江 ちえり
時計台ピエロが踊り秋の風       北野 陽子
園丁の印半纏萩の風          辻江 恵智子
ちちろ鳴き旧約聖書輪読す       福江 真里子
広坂へ下る小径や薄紅葉        福江 真里子

石黒 哲夫 特選
   松手入れ了へてととのふ城の形(なり) 海野 正男
太平 栄子  特選
   石組に短冊積みも水の秋        海野 正男