「雉」北陸地区のブログ

「雉」句会の活動を公開しています

俳誌「雉」3月号から

主宰俳句      
      大 聖 堂 
                   田島 和生
  貝殻の汀鳴りゐて去年今年
  雪原は青空沁むる加賀の国
  岸壁の我を一瞥冬鷗 
  海境(うなさか)を来し寒涛の潮けむり
    広島 世界平和記念聖堂
  大聖堂鉄扉の凍つる朝の弥撒
  大聖堂末席に坐す寒さかな
  大聖堂しはぶき一つ響きけり
    詩人 原民喜のこと
  寒の雨民喜の旧家なかりけり


     同人作品評(1月号)    山中 多美子


この道は赤穂へつづき月の照り   福江 ちえり

「半年の間、「雉」の皆様の作品世界を旅させていただき、ありがとうございました。」
          (山中 多美子 先生)

半年間、お世話になりました。
ありがとうございました。
中山先生のご活躍を、心よりお祈り申し上げます。(「雉」北陸地区)


     紅頬集 秀句佳句   田島 和生 主宰

抱きし子に泣かれて父の笑初   野崎 郁雄
 一読、笑いだすような作。「子の泣初」と「父の笑初」で、いかにも幸せそう。〈顔と言へば顔らしきなり福笑〉もいい。

鰤起し車座の漁夫茶碗酒   後藤 かつら
 日本海側で、鰤漁の時期に鳴る雷。豊漁も期待される雷を聞きながら、漁夫たちが車座になって茶碗酒を酌み交わす。「鰤起し」の季語を生かし、漁民の暮しの一コマを描く。原句「車座漁夫の」は「漁夫の車座」とした方が判りやすい。


以上、俳誌「雉」3月号より抜粋いたしました。