田島 和生 先生を招きして、いつにも増して、
充実した俳句会となりましたことを感謝いたします。
鶯や大敷の浮子うち並ぶ 田島 和生
神輿舁(か)き裸身の踊る花の道
田島 和生 主宰
〈特選〉
壬生狂言炮烙割りの埃立つ 海野 正男
水音の村に広がる朧かな 野崎 郁雄
水門に盛り上がりゐて花筏 本多 静枝
教会へ坂道桜吹雪かな 福江 真里子
春の水飲ませば長き馬の顔 福江 ちえり
池の鯉水面の落花へまつしぐら 小林 亮文
ブラインドの隙間に見ゆる朧月 小林 れい子
集落の十戸の里の八重桜 藤井 薫
春潮や大橋くぐり舟の行く 松本 よね子
乳母車の双子の笑ふ花の昼 生田 章子
紅梅の空の真つ白浅間山 野澤 多美子
連翹へ大口開けて獅子舞へり 吉田 泰子
メモ書きの一句を棺に花の冷 青木 和枝
川二つはさみて城下花万朶 本多 静枝
恐竜の立つる骨格風光る 青木 和枝
軒かすめまだ家のなき燕かな 吉田 泰子
この駅は町の中心朝桜 野崎 郁雄
蹲踞(つくばひ)の奥はくれなゐ糸桜 本多 静枝
こぶし咲く古墳の村の入日かな 吉田 泰子
小さく鳴き厩の梁へ初つばめ 福江 ちえり
木洩れ日に白くかがやき菊桜 佐瀬 元子
花の中眠気破りて電車入る 野澤 多美子
ピカピカの黄帽子正す入学児 谷 光恵
花は葉におどけて帰る一年生 小林 亮文
並びゆく馬の尾の揺れ春の海 福江 ちえり
桜餅加賀の言葉のまつたりと 海野 正男
投函の封書の響き春浅し 松本 よね子
子の打ちし球の向かうは遠霞 大上 章子
曲水に歌題を待てり花吹雪 小林 亮文
縁側に廻れば出され草の餅 野崎 郁雄
春の月高きに見ゆる別れかな 福江 真里子
犀川を歩き通しの花の雲 北野 陽子
五線譜の碑に張りつけり花の塵 吉田 泰子
初ざくら映し峠の道路鏡 吉田 泰子
次回、５月２８日（日）午後１時〜４時３０分
於：富山県教育記念会館 ５Ｆ
兼題：「青葉」
