「雉」北陸地区のブログ

「雉」句会の活動を公開しています

雉ネット俳句2015

平成27年(2015)入選作品
第12回 平成27年 12月の募集
一般の部
〇白菊へ日差しの届く忌日かな       北海道札幌市  志賀 理子
〇小春日や村にぽつんと丸ポスト      富山県小矢部市 福江 真子
〇ガラス戸に満天星紅葉うつりをり     富山県小矢部市 吉岡 ユキ
〇車座に祈る平和やクリスマス       石川県金沢市  盛一 紀子
〇古里へ夜行バス待つ小晦日        広島県広島市  村上 正人

 ギプス取れ落葉の道を踏みしむる     北海道札幌市  志賀 理子
 隙間風二つ三つと塞ぎたり        富山県小矢部市 西野 可代子
 さまざまな声飛び交ふや歳の市      富山県小矢部市 福江 真子
 木の間より冬の紅葉の谷深し       富山県小矢部市 福江 真子
 冬咲きの青葉するどき杜若        富山県富山市  谷  光恵
 新聞に師の訃報見る師走かな       富山県富山市  藤井 薫
 冬館夕映えてをり散居村         富山県富山市  藤井 薫
 初恋の女へ書きをり年賀状        石川県金沢市  横田 保
 ゴンドラに眺むる街のクリスマス     石川県金沢市  盛一 紀子
 サイレンの過ぎて小犬の息白し      滋賀県大津市  秋山 隆一
 燃え尽きて炭の年輪白かりき       広島県廿日市市 永野 昌人
 到来の白さ尊き深谷葱          広島県広島市  白石 正彦
 除夜の鐘遅れて数の増えにけり      広島県大竹市  西亀
 風にのる蜜柑のかほり峠道        広島県大竹市  西亀
 十二月八日あを空「あ・い・う・え・お」 山口県岩国市  中原 和矢
高校生の部
〇青すぎる空友の手もかじかめる    広島県大竹市  美卯

 暮れゆける冬の渚を親子鹿      広島県大竹市  美卯
 落葉ふみ恐ごは抜ける社道      広島県大竹市  美卯

第11回 平成27年 11月の募集
一般の部
〇かん高き鳥のひと声冬木立     富山県小矢部市 福江 真子
〇冬枯るる草ことごとく雨を受く   富山県小矢部市 福江 真子
〇交番に点る街灯冬めける      富山県富山市  藤井 薫
〇花八つ手蠅一斉に飛びたてり    滋賀県大津市  秋山 隆一
〇月の里窓のあかりのみかん色    広島県大竹市  西亀
〇秋の陽やドミノ倒しのきらきらす  山口県岩国市  中原 和矢

 灰汁取りの甘栗煮たる三晩かな   北海道札幌市  志賀 理子
 鈴鳴らし羽織袴の七五三      北海道札幌市  志賀 理子
 花嫁や盃を割る菊日和       富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 一面のコスモスの中車椅子     富山県小矢部市 吉岡 ユキ
 桜紅葉花咲くやうに見ゆるかな   富山県小矢部市 吉岡 ユキ
 名月の鏡のやうに見ゆるなり    富山県小矢部市 吉岡 ユキ
 日を浴びて胡麻のはじける茣蓙の上 富山県小矢部市 西野 可代子
 オカリナを吹いて降り来る紅葉山  富山県小矢部市 松田 文子
 通過する快速電車駅小春      富山県富山市  藤井 薫
 冬紅葉夕日は山へ移りけり     石川県金沢市  盛一 紀子
 落つる葉を妻も見てゐる大けやき  滋賀県大津市  秋山 隆一
 牡蠣の身の冷たき海を食らひをり  広島県広島市  白石 正彦
 立ち止まり銀杏落葉を撮る少女   広島県広島市  黒木 隆信
 ラーメンに胡椒たつぷり雪催    広島県廿日市市 永野 昌人

 


第10回 平成27年 10月の募集
一般の部
〇小鳥来る母の三十三回忌      富山県富山市  藤井 薫
〇あすの朝寒いと妻の言いに来る   滋賀県大津市  秋山 隆一
〇朝夕はふんはり閉ぢし酔芙蓉    滋賀県大津市  秋山 隆一
〇吾亦紅やさしく風の吹く日かな   広島県廿日市市 永野 昌人

 初鮭の色鮮やかに夕餉かな     北海道札幌市  志賀 理子
 万葉集点字を辿る夜長かな     富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 こぼれたる実もかがやきて実紫   富山県小矢部市 福江 真子
 ぬかるみに張り付く銀杏黄葉かな  富山県小矢部市 福江 真子
 茅葺の山門古し銀杏散る      富山県富山市  藤井 薫
 綿菓子の浮かぶ如しや秋の雲    富山県富山市  藤井 薫
 秋霜や路地に欠けたる筒茶碗    石川県金沢市  哲夫
 高枝の熟柿をつつく鴉かな     石川県金沢市  哲夫
 梅もどき実を落としける悲しさよ  石川県金沢市  福田 吉栄
 滾る湯に淹れる珈琲火の恋し    広島県廿日市市 永野 昌人
 献血に立ち寄る家路後の月     広島県広島市  村上 正人
 
第9回 平成27年 9月の募集
一般の部
〇盆過ぎの小草の生ゆる墓苑かな   富山県小矢部市 吉岡 ユキ
〇亡き父母を姉妹で偲ぶ夜長かな   富山県富山市  藤井 薫
〇消灯や病室の窓望の月       広島県広島市  白石 正彦
〇病室の窓いつぱいの鰯雲      広島県広島市  白石 正彦

 原爆忌見学の人みな無口      富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 稲穂手に日焼けし農夫の目のやさし 富山県小矢部市 松田 文子
 限りなき空の広さや秋桜      富山県小矢部市 福江 真子
 秋日差柱時計の二時を打ち     富山県小矢部市 福江 真子
 胸いつぱいコスモス摘みし幼かな  石川県金沢市  松本 康子
 窓開けばついと入りぬ鬼やんま   石川県金沢市  松本 康子
 金木犀匂ふ夜道を帰るかな     石川県金沢市  馬龍
 早朝の雨音しづか秋深し      石川県金沢市  馬龍
 ことごとく風に吹かるる曼殊沙華  石川県金沢市  福田 吉栄
 爽涼と山を離るる比叡の鐘     滋賀県大津市  秋山 隆一
 論文の提出終へて良夜かな     広島県広島市  村上 正人
 十五夜の光り松葉にからみつき   広島県大竹市  渡辺 伸幸
 一つ家に三つ灯点る夜長かな    広島県廿日市市 永野 昌人
高校生の部
〇放課後の空を明るく赤とんぼ    広島県大竹市  美卯美卯

 帰り道影と私と赤とんぼ      広島県大竹市  美卯美卯


第8回 平成27年 8月の募集
一般の部
〇袂の子気にしてすくふ金魚かな   富山県小矢部市 潟淵 恵美子
〇舞良戸を開けて吹き抜く秋の風   石川県金沢市  福田 吉栄
〇夏シャツに洗濯ばさみ跡ふたつ   広島県広島市  白石 正彦
〇大き月はや山間に入りけり     広島県大竹市  西亀

 新じやが煮弁当箱へ詰むる朝    北海道札幌市  志賀 理子
 水槽に切り分けもらふ冷奴     富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 そうめんに青紫蘇生姜昼餉かな   富山県小矢部市 松田 文子
 黒塗りの小さき椀に走り蕎麦    富山県小矢部市 福江 真子
 再会の杯高らかに生ビール     富山県小矢部市 福江 真子
 帰る子の膨らむリュック残暑かな  富山県富山市  谷  光恵
 雪渓の残る山脈朝明くる      富山県富山市  谷  光恵
 飛沫上げ黒部の流れ初紅葉     富山県富山市  藤井 薫
 マンションの廊下に落ちし秋の蟬  石川県金沢市  松本 康子
 茶屋街につづく木虫籠秋澄めり   石川県金沢市  福田 吉栄
 台風のニュース聞きつつ目覚めけり 石川県金沢市  盛一 紀子
 秋立つや外堀近き売屋敷      滋賀県大津市  秋山 隆一
 氷菓子食べかけのまま皿に溶け   広島県広島市  村上 正人
 日に焼けた肌に一雨夏終はる    広島県広島市  白石 正彦
 丈夫が海にはじけし夏祭      広島県大竹市  渡辺 伸幸

第7回 令和27年 7月の募集
一般の部
〇梅雨晴や鳴き始めたる籠の鳥    富山県小矢部市 吉岡 ユキ
〇少年の祭太鼓のひびきたり     富山県小矢部市 吉岡 ユキ
〇会ひし師の背筋真つ直ぐ夏衣    富山県富山市  谷  光恵
〇手の平に棘のこぼるる胡瓜捥ぎ   富山県小矢部市 潟淵 恵美子
〇女生徒の大股でゆく盛夏かな    広島県広島市  白石 正彦

 大の字に籐の筵に寝ころびて    北海道札幌市  志賀 理子
 さくらんぼ幼きほほを丸くする   富山県小矢部市 松田 文子
 茄子の花色を深むる雨催      富山県小矢部市 西野 可代子
 石の上雨を呼ぶかに青蛙      富山県小矢部市 西野 可代子
 フルートの山中節に梅雨晴忘れ   富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 見落として葉陰の胡瓜太きかな   富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 太き葉の黄色く朽ちて日輪草    富山県小矢部市 福江 真子
 藍染の浴衣の嫗車椅子       富山県富山市  藤井 薫
 夕顔や地蔵菩薩に水掛くる     富山県富山市  藤井 薫
 雲の峰立山劔浮き立てり      富山県富山市  谷  光恵
 河童忌や姉の蔵書のあまたあり   石川県金沢市  金山 多美子
 道の駅つぎつぎと買ふ夏野菜    石川県金沢市  金山 多美子
 吟行の一日の疲れ夕涼み      石川県金沢市  盛一 紀子
 パンクせし自転車押すや油照    広島県広島市  村上 正人
 かもめ浮く波のまにまに陽のひかり 広島県大竹市  まりりん
 裏切りのひとつやふたつ夏の空   広島県広島市  白石 正彦

第6回 平成27年 6月の募集
一般の部
〇風入れや友禅の鳥羽根ひろげ     北海道札幌市  志賀 理子
〇廻廊に涼風とほる古刹かな      富山県富山市  藤井 薫
〇袖通すことなき小紋土用干      富山県富山市  藤井 薫
〇ほととぎす鳴きておどろく静けさよ  広島県大竹市  渡辺 伸幸
〇梅雨の夜の冷ややかに入る注射液   広島県広島市  白石 正彦

 サイダーの泡に悩みを閉ぢ込めて   東京都豊島区  顕子
 万緑の空をまぶしむ父祖の墓     富山県小矢部市 吉岡 ユキ
 母の日や孝を尽くさぬこと思ふ    富山県小矢部市 吉岡 ユキ
 花柚子の囁くやうに空に向く     富山県小矢部市 西野 可代子
 干草の香り漂ふ夕べかな       富山県小矢部市 西野 可代子
 梅雨晴れや開店を待つ観覧車     富山県小矢部市 福江 真子
 とうきびの一粒ごとの甘さかな    富山県小矢部市 福江 真子
 代掻田澄みたる水に鷺降りて     富山県小矢部市 松田 文子 
 紫陽花の雨に眠気の訪れぬ      石川県金沢市  盛一 紀子
 四番打者ホームラン打ち梅雨晴間   広島県広島市  村上 正人 
 明易やけふ図書館に返す本      広島県廿日市市 永野 昌人

第5回 平成27年 5月の募集
一般の部
〇万華鏡のごとくに寄りし花筏     富山県小矢部市 潟淵 恵美子
〇乗り継ぎの駅にて食ぶる鱒の鮨    富山県富山市  藤井 薫
〇筬欄間光の透くる夏座敷       石川県金沢市  金山 多美子
 
 用水の流れの速し風薫る       富山県小矢部市 福江 真子
 車椅子にガラス越しなる八重桜    富山県小矢部市 吉岡 ユキ
 簀虫籠の中へ吹き抜け春の風     富山県小矢部市 松田 文子
 ゴンドラが緑の山を登りゆく     石川県金沢市  盛一 紀子
 開店の花屋にもらふ薔薇の花     石川県金沢市  盛一 紀子
 街路樹の神酒の苔色走り梅雨     広島県廿日市市 永野 昌人
 ハンカチの角の端正愛すなり     広島県廿日市市 永野 昌人
 足早に浴衣の娘橋渡る        広島県広島市  村上 正人
 万緑に白バイ隊の教練す       広島県広島市  村上 正人
 亡き母はカーネーションを知りもせず 広島県大竹市  渡辺 伸幸


第4回 平成27年 4月の募集
一般の部
〇鉄棒に上着掛け置く夏隣      広島県広島市  村上 正人
流鏑馬の的ともに散る桜かな    広島県大竹市  渡辺 伸幸
〇葉桜を眺め想ふはありし日々    広島県大竹市  渡辺 伸幸
〇その昔寮歌ありけり鳥帰る     広島県廿日市市 永野 昌人

 さへづりの鳥の名あてる散歩道   富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 あさつきの香る味噌和へ食卓に   富山県小矢部市 西野 可代子
 病める身の背筋正して春ショール  富山県小矢部市 福江 真子
 襟巻をくるくるたたみお念仏    富山県小矢部市 吉岡 ユキ
 春風や池の細波きらめいて     石川県金沢市  金山 多美子
 流鏑馬の矢の貫ける花吹雪     広島県大竹市  まりりん
 網棚に竹の子らしき忘れ物     広島県廿日市市 永野 昌人
 愛犬の声のしてをりつばくらめ   山口県岩国市  中原 和矢
 柳鮠濁り消えたる川に見ゆ     広島県広島市  村上 正人
 療養の友を訪ぬや木の芽晴     広島県広島市  村上 正人 
 春愁やたたう紙に収む母の服    広島県廿日市市 井原 和美

第3回 平成27年 3月の募集
一般の部
〇春雨や響き豊かに鐘の音      東京都豊島区  顕子
木蓮や香りと光満ちあふれ     東京都豊島区  顕子
〇新社員お辞儀の角度定規あて    富山県小矢部市 潟淵 恵美子
〇洋館の窓の灯るや春の雪      富山県小矢部市 福江 真子
〇春の日の照り翳りして一日過ぐ   富山県富山市  白川 晴美
〇やはらかき春の日差にバスを待つ  石川県金沢市  盛一 紀子

 春一番緩めし上着ふくれたり    富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 福の豆年の数ほど食べられず    富山県小矢部市 松田 文子
 夜明けより寒の戻りの雪降れり   富山県小矢部市 松田 文子
 雪嶺を車窓に北陸新幹線      富山県小矢部市 松田 文子
 残雪の山肌見ゆる湯宿かな     富山県小矢部市 西野 可代子
 そろそろと夫と耕す春の畑     富山県小矢部市 西野 可代子
 沈丁花地蔵を祀る路地暮るる    富山県富山市  藤井 薫
 葺替の大工の背中雪舞へり     富山県富山市  藤井 薫
 梅の蘂まつ毛のごとく開きをり   富山県富山市  白川 晴美
 干菜場に肩までつかり母偲ぶ    富山県富山市  白川 晴美
 山霞み犀川光る朝かな       石川県金沢市  盛一 紀子
 雨後の陽に解けてきたる金縷梅   広島県広島市  村上 正人
 長閑かなゆるり行き交ふ瀬戸の船  広島県広島市  村上 正人
 初節句仏と見まがう孫の笑み    広島県大竹市  渡辺 伸幸
 春塵を上げドクターヘリ離陸せり  広島県廿日市市 南 かつよ
第2回 平成27年 2月の募集
一般の部
〇春めくや図書館の椅子窓向きに   富山県富山市  藤井 薫
〇三日月の輝く窓辺ヒヤシンス    石川県金沢市  盛一 紀子
〇春雪をもどり来て買ふチューリップ 石川県金沢市  盛一 紀子
〇木の橋を渡り梅見や城下町     広島県広島市  渡辺
 
 あたたかき光を映すしやぼん玉   東京都豊島区  顕子
 どの家も雪のホイップかけたよう  富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 北斎の波めく雪の日本海      富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 朝稽古ほてりし顔に風花す     富山県小矢部市 松田 文子
 雨粒の枝に光るや春日差し     富山県小矢部市 福江 真子
 ふうふうと口を細めてくず湯かな  富山県小矢部市 西野 可代子
 蠟梅の香りまとひて友来る     富山県富山市  谷  光恵
 大寒や友を待ちつつ小豆煮る    石川県金沢市  金山 多美子
 温泉ののどかな会話ひるさがり   石川県金沢市  盛一 紀子
 
第1回 平成27年 1月の募集
一般の部
 冴ゆる月小さき悩みを掻き消しぬ  東京都豊島区  顕子
 クリスマスビルごと結ぶ大リボン  富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 車窓から蜜柑捥げそな蜜柑山    富山県小矢部市 潟淵 恵美子
 干柿のひと揺れごとに蜜を増す   富山県小矢部市 西野 可代子
 庭に立ち花梨のかをり酔ふほどに  富山県小矢部市 西野 可代子
 遮断機のゆつくりあがり冬うらら  富山県小矢部市 福江 真子
 吹雪過ぎ上弦の月現はるる     富山宴小矢部市 松田 文子
 野菜切る包丁の音初厨       富山県富山市  谷  光恵
 実朝の海に富士立つ初景色     石川県金沢市  作本 美恵子
 渡さるる初湯の嬰の湯気まみれ   石川県金沢市  作本 美恵子
 蜜柑捥ぐ籠いつぱいの日の匂ひ   石川県金沢市  作本 美恵子
 荒縄を捌く庭師や冬に入る     石川県金沢市  尾田 眞知子
 厨まで日差しの届く年用意     石川県金沢市  尾田 眞知子