「雉」北陸地区のブログ

「雉」句会の活動を公開しています

4月4日(月)雉十日会

於:おやべコニュニティセンター 1F

春暁や奇妙なこゑの鳥の鳴く     小室 登美子
干潮の穴を狙うて浅利掘る      
励ましの女医のことばやチューリップ

ゆつくりと向き変ふる船暮遅し    佐瀬 元子
泣き声も聞こえてきたり花の昼
満開の桜枝ごと揺れてをり

日の差して出窓四月の薄埃      本多 静枝
花を待つ雪洞灯り桂坂
だまされて見るもやさしさ四月馬鹿

千春てふ曾孫生まれたり風光る    野澤 多美子
階段にそつと置きある彼岸餅
兄の忌や樫の大樹の百千鳥   

鶯の声に和みてひと日過ぐ      山田 光子
卒業子笑みを交はして別れけり
花万朶川の底まで桜色

裏富士へ彼岸の墓参すませけり    松本 よね子
日の差して奏づる松の雪解かな   
昨夜(よべ)の雨紅梅一枝咲き初むる

咲き初むる花に集ひて心満つ     金山 多美子
入学の記念写真に加はりて
少年のすずしき瞳卒業す  

ごぼごぼと春の大潮遡る       潟渕 恵美子
白杖で無事の下山や山笑ふ
幼子がうさぎ風船抱きて寝る

鍬上げて空を見上ぐる春田打ち    西野 可代子
柚子の葉の陰に宿して巣作りを
うららかや身がふわふわと飛ぶやうに

琴の音に花ひとひらの水面へと    松田 文子
猪が春筍をとり尽くす
卒業の乙女の袴祖母ゆづり

注文は娘と同じ椿餅         志賀 理子
縄張りを守る山鳥今日も来る
ふらここを大きく漕げる姪子かな

春光や抱かれし子猿目を開く     福江 ちえり
群雀チャペルの桜散らしをり
花粉症目玉取り出し洗ふべし

次回、5月2日(月) 午後1時〜
おやべコミュニティセンター 1F

★吟行会は、秋ごろに行う予定です