「雉」北陸地区のブログ

「雉」句会の活動を公開しています

富山高志句会 2019.3.24

於:富山県教育記念会館5F

兼題「木の芽」(関するもの含む)

 

小林 亮文 選

◎杮葺き掴む鴉や木の芽雨     福江 ちえり

 春落葉枯山水の石に乗り     福江 ちえり

 木の芽風受けて嚏の続きをり   大上 章子

 洞目立つ桜古木の芽吹きたり   佐瀬 元子

 閼伽桶に供華の一ひら彼岸明け  本多 静枝

 囀りに目覚めの窓の一樹かな   山岸 昭子

 煮え端の飯の香の立つ宗易忌   海野 正男

 

佐瀬 元子 選

◎木の芽晴古りし球場壁の傷    大上 章子

 縁側に日差しやはらか雛納    藤井 薫

 帰る鴨雲間に消えて海昏し    小林 亮文

 遠白山芽吹きの雨にけぶりをり  本多 静枝

 木の芽風紅いベストの翁かな   小林 れい子

 髪押さへ御堂に集ふ春嵐     度山 紀子

 時告ぐる鐘の響きや木の芽晴   福江 真里子

 

次回、4月28日(日)午後1時~5時

於:富山県教育記念会館5F

兼題「若草」

3月10日(日)雉金沢句会 2019

於:金沢彦三公民館2F

田島和生「雉」主宰をお招きして開催されました。

 

田島 和生 主宰俳句

   嬰ねむりその母ねむりうららけし 

   白山はしろがね光り雉歩む

   山笑ふあらはに鰐の乱杭歯

 

youtu.be

 

田島 和生 主宰 選

〈特選〉

   水底の日の斑を散らす鮠の影  辻江 恵智子

   沈香の燻る仏間や春障子    木谷 美奈子

   春灯のまたたき増ゆる散居村  福江 ちえり

   荷下ろしの埠頭を往き来初燕  豊田 高子

   慟哭の涙いくばく涅槃絵図   海野 正男

〈並選〉

春立てり赤いヒールのバスガイド    小林 れい子

藁しべを手に手に持ちて田螺釣る    小林 亮文

牛小屋は赤屋根ばかり春霞       福江 ちえり

住み替へて汁椀を買ふ春の風      青木 和枝

梅の花びら風に乗りゆけり      佐瀬 元子

海に向く防人の碑や霾ぐもり      後藤 桂子

涅槃西風魞を見廻る小舟かな      豊田 高子

潜りたる千本鳥居冴返る        海野 正男

春の浜鳶の狙ふこぼれ雑魚       豊田 高子

合格を孫のスキップ真似にけり     中山 ちえ

一瞬に尖塔よぎる初燕         青木 和枝

立山の真白に光り鳥帰る        山岸 昭子

睦み合ふ小鳥を愛でて青き踏む     生田 章子

雛かざる上がり框に男下駄       辻江 恵智子

荒鋤の土の湯気立ち春浅し       後藤 桂子

獅子乙女北斗牛飼朧かな        海野 正男

雪垣を解けば鯉寄る口まろし      山岸 昭子

たんぽぽの絮吹き競ひ下校の子     度山 紀子

春塵や地蔵の袈裟の真新し       小林 亮文

柾角(まさかく)を滑る鉋や山笑ふ     田崎 宏

置き薬減ることもなし三月来      本多 静枝

海空を白き鳥舞ふ春夕焼        山岸 昭子

夕東風や小股でかける割烹着      田崎 宏

木の芽風ヨットの艇庫開きたる     海野 正男

病室に射し込む春日はよ癒えよ     辻江 恵智子

公魚漁舟より大き一枚帆        海野 正男

お社の幟を立てる梅日和        山岸 昭子

一二三点滴数へ春眠す         度山 紀子

卵かけご飯かしやかしや木の芽晴    度山 紀子

貝殻を使ひすする子蜆汁        木谷 美奈子

山の牧弓張浮かび冴返る        福江 ちえり

春の日に黒目きらりと鴉かな      佐瀬 元子

 

次回、4月14日(日)午後1時~4時

於:金沢彦三公民館2F  

投句:当季雑詠5句

 

2月24日(日) 富山高志句会(2019)

於:富山県教育記念会館5F

兼題:「立春

 

佐瀬元子 特選

 桃の花犬に椅子ある床屋かな     藤井 薫

山岸昭子 特選

 裸婦像へ名のみの春の日差かな    本多 静枝

本多静枝 特選

 立山の裾野の青き今日雨水      生田 章子

度山紀子 特選

 噴水の穂に消えゆけり牡丹雪     佐瀬 元子

生田章子 特選

 桃の花犬に椅子ある床屋かな     藤井 薫

 

次回、3月24日(日)午後1時~5時

兼題「木の芽」(「木の芽」に関するもの)

※お茶のご用意は、各自でお願い致します。

 

 

2月10日 雉金沢句会(2019)

於:金沢彦三公民館 2F

 

小林 亮文 選

◎宥めつつ牝馬をみがく春立つ日     辻江 恵智子

 比良の晴鳰刺す湖の真つ平       豊田 高子

 番鴨について追はるる鴨のあり     佐瀬 元子

 セリなずなすずなすずしろピザの上   海野 正男

 ヴェネチアングラスへワイン女正月   福江 真里子

 

海野 正男 選

◎群千鳥伸び縮みして浜走る       福江 ちえり

 猫柳光る雨粒はね返す         田崎 宏

 陵の径の湿りや地虫出づ        豊田 高子

 比良の晴鳰刺す湖の真つ平       豊田 高子

 スキップの下校の子らや春立てり    小林 れい子

 

次回、3月10日(日)午後1時~4時

「雉」主宰 田島 和生 先生をお招きいたします。

万障繰り合わせの上、奮ってご出席ください。

お待ちしております。

   新入会員募集!

見学の方、歓迎いたします。

当日、句会会場へいらして下さい。また、見学の旨お知らせください。

ホームページ(ブログ)を見ました!とお声かけくだされば嬉しいです。

たくさんの方のご出席をお待ちしております。

俳誌「雉」2月号(2019)

主宰俳句 

   冬  泉     田島 和生

月の出を杭に黙して冬の鵙

しろがねの月昇りけり鳰のこゑ

顔振つて鴨は流れ藻ちぎりゐし

沢蟹の爪をきれいに冬泉

加賀晴れて雪の白さの蕪寿司

  武蔵国分寺

寺跡へ榎落葉の夥し

凍雲を仰ぎ仰ぎて身内ゆれ

倚りかかるもの何やかや大枯木

 

     平成30年の我が一句

田島 和生 主宰

自画像の眼に見返され冴返る

 

円墳のいつときかげり昼蛙   青木 和枝

ひきがへる芥の中に身構へる  小林 亮文

花吹雪車椅子押す男の子    小林 れい子

初蝶の師の句碑なぞる手に来たる  佐瀬 元子

暖房にまどろみやすき祈りかな   福江 ちえり

汗しとど本堂往き来の作務衣の子  中山 ちえ

雪掻きや屋号飛び交ふ麓村   度山 紀子

照り降りにすつくと鶏頭綾子の忌  山岸 昭子

点滴のリズムかろやか春立てり   宮崎 明倫

初七日や浅葱色なる夏座布団    海野 正男

茄子苗を植ゑて支柱に蝶結び    本多 静枝

青嵐三仏相の巌かな        宮崎 惠美

なみなみとどぶろく注ぎ割烹着   後藤 かつら

 

     紅頬集 秀句佳句   田島和生主宰

 

立山の近く見ゆる日石蕗の花   大上 章子

 立山は日本を代表する山。富山在住の作者は毎日仰いで暮していると思われるが、石蕗の花が咲くころ、天気のいい日には雪に輝く立山も間近に見える。遠くの大きな山と手前の小さな石蕗の花。山の白さと花の黄色を対比させ、自然の美しさを鮮やかに描く。

 

以上、俳誌「雉」2月号より抜粋いたしました。