兼題:「芋茎」
青木 和枝 選
◎虫時雨耳を動かす牧の牛 生田 章子
名月に海の明るき能登路かな 福江 ちえり
石蔵の錠前照らし月のぼる 吉田 泰子
箒目のしるき参道秋澄めり 小林 れい子
立ち枯れの松の大木つくつくし 佐瀬 元子
芋茎剥き指先の灰汁つきしまま 大上 章子
いかづちのひっきりなしの夜伽かな 小室 登美子
吉田 泰子 選
◎足場組む鳶の鼻歌天高し 小林 れい子
来ん年稚子の話や小鳥来る 小室 登美子
弟は帰らぬ旅へ夕月夜 林 喜美子
運河越え秋の海へとソーラー船 度山 紀子
百歳の師と筆談や敬老日 生田 章子
曼珠沙華十村屋敷の庭清水 藤井 かおる
東京にきまる五輪や紅葉晴 藤井 かおる
小室 登美子 選
◎芋茎手に八百屋に問へり調理法 福江 ちえり
満天に雲なき牧の良夜かな 青木 和枝
幕間の長きにも馴れ村芝居 吉田 泰子
柿の葉に日の射す夕べ台風過 佐瀬 元子
赤ん坊もおさがり貰ふ地蔵盆 林 喜美子
足場組む鳶の鼻歌天高し 小林 れい子
金色に波を立てたる稲穂かな 野崎 郁雄
次回 10月27日(日)1時から
兼題「身に入む」